マラソン歴代1~3位選手はどの区間に登場するか?

池田は最長区間の2区が最有力だ。2区を任せられる選手が現れれば、スピードを生かせる3区という可能性もある。

池田は前述のように最長区間で区間賞、区間2位と快走を続けている。
「区間賞を取るために、ではなく、駅伝はチームのため、会社のために走りたい。任された区間でチームにしっかり貢献することが一番重要ですが、最近はエース区間を走ってきています。そういう区間で流れを変えたり、加速させたりする走りをしたいと思っています」

吉田は福岡国際マラソンを走ったダメージからの回復次第になるが、「前半区間になると思う」と福岡の翌日に話していた。GMOインターネットグループは今江勇人(26)が前回のニューイヤー駅伝、11月の東日本実業団駅伝と最長区間を任されている。東日本では区間賞も獲得したので、2区は今江の可能性が高い。吉田は1区か3区だろう。

東日本実業団駅伝1区での吉田は、3kmも行かないうちに集団から抜け出し独走、区間2位に40秒の大差をつけた。ニューイヤー駅伝では他チームも警戒してくる。東日本の再現は簡単ではないが、今の吉田は他の選手を寄せ付けない走りができるかもしれない。

吉田はパリ五輪マラソン6位入賞の赤﨑暁(26、九電工)ら、同学年選手へのライバル意識があることを話していた。“花の97年生まれ”と言われている学年で、太田智樹(27、トヨタ自動車)、相澤晃(27、旭化成)、伊藤達彦(26、Honda)、山下一貴(27、三菱重工)、浦野雄平(27、富士通)、羽生拓矢(27、トヨタ紡織)らが第一線で活躍している。

「駅伝の目標は優勝です。ライバルとなるチームのエースが同学年なので、僕が意識してもらえているかわかりませんが、チームのためにも僕が負けたらダメだと思っています」

鈴木の出場区間は予想が難しいが、初めて最長区間(2区)に登場するかもしれない。2区が横手健(31)や塩尻和也(28)なら、3区や5区も考えられる。21年に区間賞の6区も、勝負を決める区間として鈴木が起用される可能性はある。

「チームの状況がすごくいいのでどの区間になるかわかりませんが、2区や3区なら前との差を少しでも小さくしたいです。そうすれば後半区間の選手たちがカバーしてくれます。後半区間出場なら、向かい風が強くなるので順位を大きく上げるのは簡単ではありませんが、自分のリズムを使って走って行くことが大事かな、と思います。どの区間でも、この1年で自分の走りを少しずつ取り戻しているので、復調している走りを見せたいですね。その流れでマラソンも良い走りができる。そう思ってもらえる駅伝にしたいと思います」

22年ぶりにマラソンの日本歴代1~3位がそろうニューイヤー駅伝は、いくつもの視点で楽しむことができる。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

※写真は左から吉田選手、鈴木選手、池田選手