◆人の死を政治利用?法学者が危惧する理由
法学者の中には「命に序列をつける国葬は憲法の精神に反する」と考える人もいます。
九州大学・内田博文名誉教授:
「日本国憲法は人間の命を序列化してはいけないとうたっています。岸田政権は安倍さんが強力に進めた自民党の悲願と言うべき憲法改正をさらに進めていくと、そういう象徴として安倍さんを神格化する、教祖化することが今回の国葬の中に込められている気がします。このような人の死の政治利用は、生命の尊厳を逆に損ねているのではないか、賛成か反対かではなく国葬が日本のあり方、われわれ一人一人のあり方にどう影響するかよく考えることが必要です。分断国家とか対立国家ということになりかねないですから」
国葬反対の声が高まる一方でインターネット上には安倍元総理に弔意を示す「デジタル献花プロジェクト」のサイトが立ち上がりました。無料でメッセージを書き込め、26日までに約15万人が参加しています。
世論を二分する安倍元総理の国葬は、27日午後2時から東京の日本武道館で執り行われます。