テーマを決める時に大切な「リクエスト」  YouTuberに会った時の衝撃

膳場:
YouTube大学でのテーマの扱い方について、前はもう少し「勉強」っぽかったと思うんですけれど、時事ネタも積極的に扱ってますよね。どうやってネタを決めているんですか。

中田:
とにかくコメント欄を見て(コメントに)いいねをつけろっていうのが、私のYouTubeの師匠・カジサックさんの言葉なんですけれど、それをやり続けていると、だんだんリクエストが来るようになりました。ニュース見て分からなかったのをやってくださいというリクエストを見て、これは見てもらえそうだなと選んでますね。自分でも新聞を見たり、ニュースサイトを見たりして気になったものをやるんですが、リクエスト(の割合)が大きいですかね。

難しい言葉は自分も分からないので、分かりやすくしています。専門家が見たら、なんでそっから説明しているんだっていうとこから1個1個説明するのを、楽しんでいる方もいるのかなと思います。やっぱりテレビ育ちなので、テレビみたいなことがやりたいと思っているところもあります。

膳場:
でもYouTubeに追い越されたところに追いつきたいし、ネットにみんなが行ってしまってるのが悔しいので、取り戻すために、ネットの強みは何だろうと研究したり、何か盗みたいって思ったりします。

中田:
YouTuberも栄枯盛衰で、数年前のトップYouTuberで、今辞めてる人たちだっていっぱいいます。入れ替わってます。もう血だらけになってます。開始当初は毎日アップしていました。ただ、テレビみたいに毎週というペースじゃなくてもいいので、もう何度も長期休んでます。今年ももう3か月ぐらい休みました。

膳場:
休みの間は何をしているんですか。

中田:
今年は育休というか。年始に第三子が生まれて。育休と言ってるだけで、実際ある程度さぼっていたとこもありました。精神的に疲れて。自分だけでやっていっているのも、なかなか続けるのが大変で。誰かと一緒に何かしたいなっていうのがどこかにあるので、続けてる人たちはみんな孤独だろうなと思いながら、やっていますね。だから今回の仕事の中で、「こうじゃない、ああじゃない、こうしてほしい」って言われるのは、嬉しいなと思います。

膳場:
チームじゃないとできないと私は思っていますが、中田さんは1人で全部できるタイプですよね。

中田:
そんなことないんですよ。最初にYouTuberを見たときの衝撃は忘れられないです。

YouTuberっていう存在に会ったのが2016年で、一緒に撮影した時に三脚を立て始めて、小道具を持ってきて、今日こんな企画するんだって説明をして、始めたんです。1人で全部やるなんて、見たことない生命体。私は絶対できないと。でも、気づいたらやんなきゃっていう時代と環境に追い込まれて、最初は本当に公園でスマホを回すところからだったんです。そしたら風の音が入って、コメント欄で「風がうるさい」と言われて、ピンマイクを買いました。スーツを買いに行って、ホワイトボードを準備して、と1個1個やっていって。後天的なものなんです。

テレビとYouTube、両方やると見えてくるものがあると思います。