9月21日、立憲民主党と日本維新の会が国会での共闘で合意した。これまで互いに罵り合い、対立してきた両党だけに、驚きを持って受け止められた。一方で今回の合意は、立憲・安住国対委員長が、他の野党との関係について「政策テーマごとの連携」を掲げており、その第一弾でもある。臨時国会を前にした電撃的な合意は、新たな野党共闘の形となるか。

■まさかの“グータッチ”「いがみ合っても何もならない」


立憲・安住淳国対委員長は、維新・遠藤敬国対委員長との会談後、こう語った。

「お互いこれまでは、いろんな悪口も言ってきましたけども、野党第1党、第2党として共闘することで、日本の政治に対して緊張感を持った国会運営をする。そのことで今の政治の転換を図っていくということで合意をいたしました」


また遠藤氏は今回、歩み寄った意義について、こう強調した。

(野党が)いがみ合っても何もならないし、バラバラであることで与党がほくそ笑んでいるというのが今までの形だった。立法府が軽視されてきたことは、我々野党の弱さでもある。もう強固に、できることは結束してやっていきましょうと」


配布された「合意事項」には、6項目で共闘することが明記された。

(※以下、要約)
1:憲法に基づく国会召集要求があった場合、20日以内の召集を義務づける国会法改正案を臨時国会の冒頭で提出する。

2:10増10減を盛り込んだ公職選挙法改正案は、必ず臨時国会で処理する。

3: 通園バス置き去り防止装置の設置義務付け法案を、早期に臨時国会に提出する。

4: いわゆる文通費の使途公表などを定めた法案の成立をめざす。

5:旧統一教会の被害者救済と再発防止策について、法的整備含め協議を始める。

6: 厳しい経済状況におかれた若者や子育て世代に対し、より有効な対策を提案する。

交渉は水面下で行われ、両党とも事前に知らされていたのは限られた幹部だけだった。安住・遠藤氏の“グータッチ”の後、政調会長を含めた両党の協議が行われたが、維新の音喜多政調会長は「油断していた」と、ポロシャツ姿で部屋に駆け込んだ。