「本塁打ボールを追え!」スポニチ取材班の独自ルーティン
しかし、例え大谷が話さなくても、新聞は毎日発行される。記者として取材現場にいるからこそ知りえる話題を報じなければならない。
この2023年頃から、大谷が本塁打を打つ度に本塁打球をキャッチしたファンを取材することが、筆者が決めた弊社MLB取材班のルーティンとなった。
取材は試合直後にクラブハウス付近で始まるため、サヨナラ本塁打は諦めることとし、それ以外は大谷が打った瞬間にすぐに更新されるMLBや球団、中継局の公式X(旧Twitter)で映像を確認し、ダッシュすると警備員に厳しく注意されるためスタンドまで早歩き。
外野スタンドでは警備員やファンに本塁打球をキャッチした人がどこにいるかを聞き、質問していいか話しかけてから、最近は混乱を避けるため、イニング間にコンコースまで来てもらい取材をする。
相手球団のファンでありながら、大谷ファンだという人が大半で、球場の伝統でグラウンドにボールを投げ返すファンもいれば、飛行機で数時間かけて大谷を見に来たというファンにも出会うなど、予想外に大きな記事に発展することもあり、大谷の本塁打球をキャッチしたファンだけで特集記事も掲載するなど、いつしか欠かせない取材となっていた。