「これがミャンマー国民の感覚なのだな」

軍の支配に抗議の声を上げた若者たち 2021年6月Facebookより

ミャンマーのいわゆる民主派、つまり現在の軍事政権に反発する人々は、クーデターという暴力で実権を握った国軍を、ミャンマー政府として扱うこと自体が大きな間違いであると考えている。

この考えに基づく反応は、時にヒステリックに感じるほどだ。
クーデター直後、当時の丸山駐ミャンマー大使が、軍政が任命した「外相」に対し、市民への暴力の停止やアウン・サン・スー・チー氏の早期解放を求めたことがニュースになった。

私は、丸山氏の行動は民主派側に寄り添うものであると感じたが、これに対して特に若者を中心に日本への批判が噴出した。
それは、丸山大使が軍政が任命した人物を「外相」と認めたことに対しての怒りであった。

この時 私は、「これがミャンマー国民の感覚なのだな」と思った。
だから、その後の日本政府の対応も、日本財団が行った支援も、すべて軍政との交渉を経て行われている時点で、民主派の人々にとっては受け入れられないものになってしまうということが、正しいかどうかは別として、理解できた。