町野町に唯一あるスーパーの3代目社長・本谷一知さん(47)です。地震があった元日以降、毎日欠かさず営業を続けていましたが…
(提供映像:本谷一知さん)「浸水してきました」

9月21日の豪雨で近くの川が氾濫。水はあっという間に店内に流れ込み、町は濁流に飲み込まれました。
地震と水害による被害総額はおよそ1億3000万円。2か月間休業し、スタッフやボランティアの協力を得て、先月11日から営業を再開しましたが、今も停電は続いています。
(本谷一知さん)「これ見てもらえばわかるが、客が勝手に書いてくれる」

店内に掲げられたのは、再建後の店のイメージです。買い物スペースのほか、工事関係者やボランティアの宿泊スペースを確保し、復興の拠点となる姿が描かれています。
(地元の住民)「ここを見た時、涙が出てどうしようかと思った。スーパーがなかったら食べていけない」
(本谷一知さん)「育ったこの場所にこだわる人がいるのと、のべ1000人ほど(のボランティアが)泥出ししてくれた。この場所で水害対策して、明かりを灯すことが私の責任の取り方だと思っている」
能登半島はこれから本格的な雪の時期を迎えます。今も通行止めの道路や雪を溶かす装置が断線しているところも多く、先行きが見えず不安を募らせています。

(本谷一知さん)「地震の前から雪が降れば孤立するが、それに輪をかけて今年の冬は特別な冬。孤立することを覚悟で、ほぼ100%孤立することをみんな想定して生きている」
輪島市によりますと、大雪警報が予想される場合などは早めの除雪を始めるとしていますが、それ以上の対策はないのが現状です。被災地は1年経った今も厳しい環境を突きつけられたままです。