■「日本の国益のためにご活動をされた方に反日思想を持っているなんてありえないことじゃないですか」

ーー献金の背景に、文鮮明氏の教えに朝鮮半島を植民地支配した日本が、韓国に貢ぐべきだというような反日的な教えがあるという指摘があるんですけれども、もしこうしたことが事実であるとするならば、改革本部長として考えの見直しに取り組むお考えは持たれているのでしょうか?
それと誤解を受けないように、改革推進をおっしゃってるとのことなので、その上で確認したいんですけども。先日、田中会長が政治との関わりについて「私達の基本姿勢は共産主義と対峙して進めている」と。その視点から言うと、「自民党の議員の方々がより多くの接点を持つのでは」という内容のことをおっしゃっていました。
今日も反共を掲げていることは、勅使河原さんからも出てきたかと思うんですけれども、一方でその文氏が90年代から北朝鮮を訪問して当時の金日成主席と抱擁を交わすとか、あと経済事業を展開している。
それから8月も文鮮明氏の死去10年には弔電が来ていると。そういったことを見ている中で、教団の資金が北朝鮮に流れているんじゃないかなってことをこちらとしては疑う部分があるんですけれども、これについては一体どうなのかと。
あと本当に反共を先ほども掲げておられましたけれども、一方で北朝鮮と親密なところを見ているとその反共を掲げているのは単なるポーズなんじゃないかというふうに見えてしまったというところがありますので、北朝鮮に対する教団のスタンスっていうんですか、そういったことを確認させていただければと思います。


勅使河原秀行本部長:
私の理解の範囲でしか答えられませんけど、まず家庭連合が反日思想を持ってるんじゃないかという話ですが、それは全くありません。よく週刊誌に韓国が「アダム国」、今ではもう「父の国」と呼んでるんですけど。日本がそういう面で「母の国」と一応呼んでおります。この父母というのは、基本的には対等な関係であってどちらが上でどちらが下ということではありません。

従いまして、何か日本を嫌うような思想というのは基本的に私の知る限り全くありません。
韓国人の宣教師が日本に来て、教会の責任者をやっている事例もたくさんありますけれども、彼らも個人的にいろいろ話を聞いてみると、かつてやはり日本との関係においてわだかまりがあったけど、家庭連合の教えによれば、そもそもこれはもうキリスト教でも同じですけど、敵をも愛するという考え方がありますし、他のために生きるとか、そういう理念からすると、この日本を嫌うとか、そういった考え方は全くありません。

福本弁護士:
ちょっとよろしいでしょうか?よく最近反日思想を持ってるとかマスコミで宣伝されていますが、歴史的事実を見ていただきたいんです。
1982年に元KGBの対日スパイのレフチェンコ事件というのがあったのご承知の方が多いと思うんですが、これは日本でスパイ活動をしていたソ連の元KGBで、レフチェンコ少佐が米国に亡命した後、アメリカ下院情報特別委員会でこのように証言したんですね。「日本には外国のスパイ活動を禁じる法律がないので、仕事が楽だった」と証言した上で、スパイ活動の協力者として日本社会党の元委員長を含む社会党関係者、マスコミ関係者ら200名の実名を米下院で公表した事件がありました。
当然これは日本の国内でも大問題になりまして、党存亡に関わると期間を抱いた日本社会党は、その機関誌、社会新報にレフチェンコ事件は国際勝共連合とCIAが仕組んだ謀略であるという捏造記事を出すに至った。この後これは名誉毀損事件で、国際勝共連合が裁判所で勝訴をしております。
他方で1979年、国際勝共連合はスパイ防止法制定促進運動を精力的に展開していたわけです。もちろんこれをしろというふうに指示をされたのは、文鮮明氏であります。何を憂いておられたかというと、スパイ天国と化しているソ連や共産圏のスパイ天国と化している日本のこの実情を憂えて、国際勝共連合を1968年に設立し、1979年にこのスパイ防止防止促進運動を展開されたわけです。その3年後です、レフチェンコ事件が起こったのは。この事件を見越して、この活動。先行されたのは誰ですか。この方が、日本の国益のためにこのような活動をされた方に反日思想を持っていると思いますか?ありえないことじゃないですか。ここではっきりと申し上げておきます。以上です。

勅使河原本部長:
北朝鮮のことですけれども、朝鮮、韓半島が平和的に統一されるというのは家庭連合の悲願であります。しかしながら、もちろんそれが共産主義を中心に統一されることはあってはならないことであり、文先生が確か1992年、北朝鮮に訪問して、あの時も国会でいわゆる金日成が言っている主体思想は間違ってると、そういう主張をしたわけです。それはやっぱり正すべきは正し、そして韓半島は平和的に統一されなければいけないということで、正すべきは正すんですが、やはり北朝鮮と彼らを転換させていかないといけないということと動機で文先生は行かれたというふうには聞いております。

したがって、その後非常に度胸のある男だということで一目置かれて、その後金日成からその下の金正恩でしたっけ(注:正しくは金正日)、そして今の方に至るまで、非常に金日成の教えですね。文先生は信頼できる男だという遺言を残されて、それがゆえに今でも関係は続いていますけど、大前提として私達は共産主義とか全体主義には反対しております。だからそれを何とか克服しなければいけないというのが、共産主義に勝つという意味で勝共という意味なんです。だから彼らと共産主義政府と手を結ぶということは断じてありません。

福本弁護士:
追加して申し上げますと、確かに一般的に見れば、反共の頭目であられた文鮮明氏が北朝鮮を電撃訪問して、当時の金日成主席と会って抱擁し握手をしたということ。普通に考えれば何を考えてるのかと思われる。それはわかります。

しかしながら、そこにおいて文鮮明氏は金日成になんと言ったかと言いますと「主体思想は間違っている」と言ったそうです。もう命がけの言葉です。金日成の支配する北朝鮮に行って、主体思想を間違ってるとはっきりと言ったそうです。命がけで行かれたんですよ。

それは先ほど勅使河原が言ったように、父母の心情をもって共産主義も抱えていくという思いから命がけで行かれたんです。決して共産主義と手を結ぶために行ったのではございません。以上です。

ーー考え方・スタンスは非常によくわかったんですが、もう1回お伺いしたいのはお金は実際、北朝鮮には送られているってことで?

(2人で声をそろえて)断じてありません。

ーーお金を送っていない。わかりました。
あと、反日的なことはないということをおっしゃったんですけれども、今回その教会改革をするということで、日本教会の方で過度な献金がないように見張っていくっていうことだと思うんですが、確認をしていくと。一方で献金を日本教会ではなくて世界本部が求めているとか、何かノルマを課しているようなことがあるような指摘もあるんですけれど、こういったものに対してもう少し強く、言い返すことができるといいますか。


勅使河原秀行本部長:
基本的に日本の運営というのは、日本の責任役員会で100%確定いたしますので、そこの判断に対して、多少相談することがあったとしても、責任と権限は日本教会にあります。

■献金にも目標はあるが現場の事情に合わせて進めていく

ーーわかりました。それから献金のところで、不安を煽るようなやり方をしないと。一方で、何か目標を設定されていてこの目標に足りないんだとか、よその方は献金してますけれども、あの集団心理を利用したようなそういうやり方をしないとここに書かれてないですけど、そういった形とかの何か言い方やいろんな形を変えて、やっぱりまた献金を求めていくんじゃないかという、そういう疑問をされてる部分があるんですけど、そこいかがでしょうか?

勅使河原秀行本部長:
組織としてどんな組織もそうだと思うんですけど、家庭連合も例えば礼拝参加者を増やしましょうとか、だから何%増やそうとか、伝道頑張っていきましょうとか、何か目標があるんですよね、それなりの。特にお金の問題に関しては、監督機関に年に1回予算を提出します。

その予算というのは国内の事業計画に基づいて予算が算出されるので、その予算目標がある種、マスコミ報道で言うところのノルマと誤解されるところがあるんではないかと思います。
従ってこの件に関しても今後、あんまり本部の方でグーッと決めていくというよりは、現場の実情に合わせて現場主導の自主目標等をいろいろと考えて、それに基づいて進めていくという方向の転換を今、責任役員会では議論されています。

ーー中央から強い圧力でやっていくということではなくて?

勅使河原秀行本部長:
強い圧力という意味にとられるので、やはりまず現場の実情がどうなっているのかということをむしろ重視して、行く方向に転換していくつもりであります。

ーー改革の方向性の点について2点質問させていただければと思います。今まさにあったような献金の目標について、大幅に見直すという方針であることは、日本本部だけではなく世界本部でなど、その辺のすり合わせた上での共通見解ということで、統一教会全体としての家庭連合さんと共通の理解として発表されているというふうに理解してもよろしいですか?というのが1点です。
2点目は、いわゆる今回現場で過度な献金がされてないかということについては各教会で教会長でチェックされるということだったと思いますが、それは改革がしっかり実行されているかどうかということを本部として、確認する方法については実効性を確認していくっていう手段についてはどのように考えているか、その2点についてお聞かせください。


勅使河原秀行本部長:
まず、今回世界宣教等の支援の大幅な減額ということは、日本で決定しましたけれども、世界本部にも了解してもらっています。
そして過度な献金ということの確認ですけれども、何分これから始めることなので詳細はまたちょっと細かく詰めていかないといけないと思うんですけれども、1つにはやっぱり大口献金者というのは、一体どういう事情でちゃんと確認がされているのかとか、細かい日常の11条献金とか普通の献金は大きな問題ではないと思うんです。だから金額の大きいものは、やはりきちんとその前後の事情を確かめていくということが必要ではないかと思っております。

ーーそれは各教会だけじゃなくて今回の対策本部であったりとか、やはりそこの方でチェックしていく体制を何らか今後作っていくことを考えている?

そうですね。責任を持ちます。私どもの方で、

ーーその辺の具体的なやり方については今後っていう形で?

そうですね、まだ現時点でしっかりとしたその文書でそういったことをしっかり固めているわけじゃないので、さらに詰めていきます。