19歳で北朝鮮に拉致され24年後にようやく帰国を果たした曽我ひとみさんが富山県内で初めて講演をひらき、すべての拉致被害者の早期帰国実現を訴えました。
曽我ひとみさんは8日、富山県で初めて講演のステージにあがり、拉致の実態や早期の問題解決を訴えました。
曽我ひとみさん
「現在の北朝鮮の国情を考えれば、1日でも早く日本人拉致被害者を取り戻さなければ命にかかわる重大事に発展するのではと懸念している。そしてそれは私の母にも直結する状況でもある」
曽我さんは拉致されたときのことを「抵抗することもできず、口をふさがれ、手足を縛られ、南京袋のようなものを被されて担がれて川まで連れていかれた」と説明しました。

曽我さんは1978年8月、19歳のときに新潟県で母ミヨシさんとともに北朝鮮に拉致され、24年後の2002年10月に帰国が実現しました。
しかし、拉致被害直後から離ればなれになった母ミヨシさんの消息はいまだわかっていません。
講演で曽我さんは母について工作員に尋ねても威圧的に「元気にしているから心配しなくていい」と言われ、黙るしかなかったと振り返りました。

警察庁などによりますと、北朝鮮に拉致された可能性が排除できない人は全国で871人いて、このうち富山県内では20人が該当しています。
曽我ひとみさん
「とにかく時間との戦いともいえる。被害者・被害者家族の両方が元気であるうちに解決してほしいと願うことしかできないのが、なんとももどかしい」