
そこには社会的弱者を利用して利益を得る悪質な業者「貧困ビジネス」があったといいます。
海野秀男被告(88)
「貧困ビジネス。通帳・印鑑預からないと部屋貸さないと言われて、生活保護費の20万円のうち1万3000円しか渡されなかった。それで生活するしかなかった。なんとか4か月は頑張ったのだけれど…」
■「社会は刑務所に入った人間には厳しい」
生活が立ち行かなくなった海野被告は、かつて自分が誘われていたように、今度は自ら刑務所で知り合った仲間を犯罪に誘うようになりました。
海野秀男被告(88)
「社会は刑務所に入った人間に厳しい。もうちょっと早く気づいていれば、別の人生があった」
そう言い残して面会室を出て行った海野被告。その小さな背中には、更生できなかった後悔と、もう塀の外には戻れないという諦めがにじみ出ていたようにも見えました。