「ほかでは生きにくい人もこの街では生きていける」

 そんなあいりん地区でしたが、今、大きく変わり始めています。

 (Qいまは外国の方が増えましたね?)
 (水野阿修羅さん)「やっぱりインバウンドでこの街が安い旅館が多いから。労働者がいなくなって経営者側もインターネットで外国人を呼び込もうと」

 きっかけは大阪市が始めた「西成特区構想」でした。2012年、当時の橋下徹市長が西成区の治安や環境を改善するため、西成区だけを「特別扱い」する構想を打ち出し手厚く支援することを決めました。さらに、2022年には、あいりん地区のすぐそばで星野リゾートが手掛けるホテル「OMO7大阪」が開業。ゲストハウスも増えインバウンド客の姿も多くみられるようになりました。

 (水野阿修羅さん)「ほかの街では生きにくい人でもこの街では生きていける。許容量がある、寛容。この街にいることで差別もされるけどおもしろい。ほかの街はきれいで安心だけど、私からみるとおもしろくない」