■「娘が邪教から離れることを日夜願う」祖父の手紙を読んで…


戦時中、特攻隊の訓練を受けていたという祖父。田中さんが二十歳になったときの手紙には、こう書かれていました。


祖父からの手紙
「明日までの命かもしれないと覚悟していたのに計らずも敗戦となり、生きながらえてあなたの母親を授かったのです。孫がかわいい以上に、娘が可愛いです。娘が邪教から離れることを日夜願う。不憫な爺の気持ちも理解してください」

この手紙の数年後、娘や孫の脱会を果たせぬまま、祖父は亡くなりました。

旧統一教会“2世” 田中悟さん(仮名)
「この手紙をちゃんと読んだのが、山上容疑者の事件のあとです。サタンからの手紙だと思っていました。本当に悔しいことです」
「特攻は洗脳だった、統一教会も洗脳。洗脳状態での高額献金や家族をないがしろにしたカルト宗教は繰り返してはいけない」

■「秘書を送り込もう」「勉強会をやろう」政治との関係についても新たな証言


家族をないがしろにした旧統一教会への怒り。さらに、政治との関係について新たに証言したのです。

旧統一教会“2世” 田中悟さん(仮名)
「秘書を送り込もう、勉強会をやろうというのは過去にありました」


約15年前、教会の施設で行われた“政治家の秘書を養成するための勉強会”に、複数回参加したというのです。

旧統一教会“2世” 田中悟さん(仮名)
「私が社会に出てすぐ『政治に興味ない?』と教会の責任者から聞かれて、『むしろ議員になったらいいんじゃない?』みたいな。先生がいて講義をしてディスカッションをしていた記憶がある」

ーー講師はどういう人?

「秘書をやっている方」

ーー信者ですか?

「もちろんです」


田中さんによると、勉強会の講師は、当時地方議員の秘書をしていた信者だったといいます。

旧統一教会はニュース23の取材に対し、「政治家の秘書を養成したり組織として政治家の秘書に従事させることはありません」としています。

■「絶対に阻止しないといけない」Vtuberとして内部情報を発信する理由とは…


田中さんは、Vtuberもるすこちゃんとして教会内部で出される指示などの情報をSNSで発信しています。


旧統一教会“2世” 田中悟さん(仮名)
「教会が信者に間違った社会的におかしい指示とか高額献金をまだ要求したり続けるのであれば、私は身を隠しつつ、教会の中にいてVtuberとして事実を発信したい」

脳裏に浮かぶのは、教会で見かける2世の子ども。つまり、“3世”の姿です。

旧統一教会“2世” 田中悟さん(仮名)
「この子たちが私が育ってきたような『統一教会』『カルト集団』のレッテルを貼られた環境で生きていく繰り返しは、絶対に阻止しないといけない」