■日本はいまチャンス。米菓から新事業へ


亀田製菓は2021年、新潟県胎内市にある株式会社タイナイを子会社化した。同社では米菓だけに頼らない亀田製菓の新たな挑戦「米粉パン」を作っている。米粉パンは卵や牛乳などアレルギー特定原材料と言われる28品目を使っておらず、食物アレルギーがある人を中心に需要が伸びている。亀田グループ全体の相乗効果により、タイナイの売り上げは昨年度が2割アップ、今年も2割伸びた前年に対して約4割伸長している状況だという。

ーー小麦の値段がものすごく高くなっているいま、米粉はチャンスではないか。

亀田製菓 ジュネジャ・レカCEO:

チャンスですよ。日本としてはチャンスです。米の国ですから。私たちもチャンスがあるし、本当に大きなチャンスを伸ばしたいなと思います。


亀田製菓がもう一つ力を入れているのが大豆ミート、代替肉だ。2019年に亀田製菓のグループ会社となった福井県鯖江市の株式会社マイセンでは、プラントベースドフードと言われる植物由来の原料を使った肉のような食べ方のできる食品を製造販売している。2022年の第1四半期売り上げは前年比で約3.5倍の伸びになっているという。

ーーなぜ大豆ミートなのか。

亀田製菓 ジュネジャ・レカCEO:
1キロの肉を作るために12~18キロぐらいの穀物が必要です。将来の口数(人口)と食を考えるとどうしようもないのです。私たちも食品を通じて将来の環境に優しい食を作らないといけないということと、もう一つはやはり健康です。大豆ミート100グラムの中に50グラム以上のタンパク質、12グラムの食物繊維が入っています。健康の塊ですね。ただの代替肉ではなく、環境に優しいものを作る。でもせっかくですから、どうして一億人しか考えないのですかと。私はいつもみんなに言うのですが、アメリカの会社だったら世界中にバーガーを売り、コーヒーを売ってスターバックスになる。


「柿の種」もアメリカで売られているクラッカーも米からできています。全部米です。これから米菓も変わっていく。グルテンフリーで、オーガニックで最高の健康食です。ものすごくいい商品を持っているので、売ろうと思ったらそれなりに体制、仕組みを作って、パートナーを探して、やれることはたくさんあると思います。マインドセットです。失敗しても前向きに走っていくと、必ずどこかいいことは見つかってくる。何もやらないよりは挑戦した方がいいじゃないか。何もやらないと何も起こりませんから。