新潟に本拠を置く米菓メーカー最大手、亀田製菓の会長CEOに今年6月、インド出身のジュネジャ・レカ氏が就任し話題となった。グローバルフードカンパニーを目指すというジュネジャ会長に亀田製菓の成長戦略について聞いた。

■「社員第一」で、おいしさを世界の80億人に届けたい

ジュネジャ・レカ氏は1984年、大阪大学工学部に研究員としてインドから来日し、生物・発酵学を研究した。2003年に食品素材メーカーの太陽化学副社長に就任後、ロート製薬の副社長を経て2020年、亀田製菓の副社長となった。

ーー2年前にロート製薬から亀田製菓に移ったきっかけは?

亀田製菓 ジュネジャ・レカ代表取締役会長CEO:
私はもともと食の素材メーカーで働いていて、そこから食の研究に携わって食のことが大好きになりました。「食」という字は「人」を「良」くすると書きます。「食」が大好きだったので、食品の会社で働きたかったのです。

ーー亀田製菓のトップにと言われた時にはどんな気持ちだったか。

亀田製菓 ジュネジャ・レカCEO:
「亀田製菓の商品を食べたことがない人は手を挙げてください」と言うと、ひとりもいない。それぐらい国民的なお菓子の会社のCEO会長になったということは本当に誇りに思っています。亀田製菓はすごくおいしいものを作っていて、一度食べると止まりません。そのおいしさを日本の1億人だけではなく世界中の80億人に届けたいということもあって、ポテンシャルを感じて入社しました。

1946年創業の亀田製菓は水あめから始まった。1950年、定番商品の「柿の種」の販売を開始。「ハッピーターン」などのヒット商品を次々と生み出し、米菓で35%のトップシェアを誇る企業に成長した。

ーー外国人で亀田製菓のトップになったミッションは一言で言うと何か。

亀田製菓 ジュネジャ・レカCEO:
一言で言うと「亀田製菓を世界中のトップのグローバルフードカンパニーにしたい」ということです。大きい会社が世界中にたくさんありますが、社員を幸せにしたいのです。「夢と笑いの現場作り」と言っています。商品を作ったり売ったりしている人たちにやりがいや働きがいがなければ、会社はいい商品をお客様に届けることはできないし、ステークホルダーにも利益を反映できないということで、第一はやはり社員です

ーー昨今の世界情勢による影響は?

亀田製菓 ジュネジャ・レカCEO:
大変なピンチの時期に来ていると思います。原料の値上げ、エネルギーコストや包材が上がるし、収益に対してどんどん影響が出ています。びっくりするぐらい。ウクライナの戦争もそうですし、僕らでコントロールできないあらゆる理由は、中期経営計画にもどこにも書いてありません。

ーー困難な時を乗り越えるためには何が必要か。

亀田製菓 ジュネジャ・レカCEO:
魂。まずやる気ですよね。燃えることでしょうね、パッション。