9月27日に執り行われる安倍元総理の国葬。会場の日本武道館をはじめ都内各所では警備が強化され、前日からは参列する海外要人らの移動のため首都高速や一般道路で交通規制が行われます。
世論調査では「反対」が過半数を超えるなど理解が広がっていない中、国葬当日にはどのようなことが想定されるのか。TBSスペシャルコメンテーターの星浩氏の解説を交え、みていきます。
■国葬まであと数日… 前日から首都高通行止めも
ホラン千秋キャスター:
安倍元総理の国葬まで1週間となりました。
井上貴博キャスター:
国葬ではあるものの「大喪の礼」とは違うと政府は説明しています。日本における国葬とは一体何なのか。その基準が示されぬまま突入していくことになりそうです。

9月27日午後2時から執り行われます、安倍元総理の国葬。参列者は最大で6000人程度です。国会議員(現・元)、三権の長(現・元)、地方公共団体代表などのほか、弔問外交と言われたときもありましたが、海外からアメリカのハリス副大統領、カナダのトルドー首相などが出席する予定です。

警備体制ももちろん国を挙げてということになります。
東京駅では、警備犬がコインロッカー内の不審物の有無を確認。あとは海外の要人が宿泊する予定のホテル周辺ではもう既に検問が行われています。
東京だけでは賄いきれませんので警視庁以外、全国から応援部隊が上京しています。

交通規制という意味では、当日だけではありません。
お出かけの際はチェックされた方がいいかと思います。当日27日の首都高速は昼前から夜にかけて各場所が通行止めとなります。
前日も含めて、26日・28日の国葬前後も海外要人の移動などに合わせて首都高速・一般道も含めて交通規制が予定されています。
■国葬「反対」6割超 国葬開始時刻にも反対デモが

そして、共同通信が17・18日に実施した、安倍元総理「国葬」についての世論調査です。
▼「反対」「どちらかといえば反対」が60.8%で、6割を超えました。
▼「賛成」「どちらかといえば賛成」が38.5%です。

こういった中で反対デモも続けられています。
19日に東京・渋谷で行われたデモには数千人が参加し、参加者からは「総理が言っただけで決められる国葬は絶対に嫌です」といった声もありました。
当日27日も、国葬開始と同じ時刻の午後2時に国会正門前で反対デモが予定されています。
ホランキャスター:
世論調査の結果もありましたけど、「どちらかといえば反対」も含め「反対」という声がじわりじわりと増えてきていますね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
最近では「反対」が「賛成」の倍ぐらいになっている調査結果も出てまして、トレンドとしてもどんどん差が広がってますよね。岸田総理は「説明をする」と言っているけど、説明できない点が2つあると思います。
1つは、なんだかんだ言ってもやはり、岸田総理は「安倍さんに代表される自民党の保守派に配慮して今回の国葬を決めたんじゃないですか」に対する答えができるかどうか。おそらく「そうです」とはなかなか言い難いところだと思います。
もう1つは、安倍さんがやはり旧統一教会との関係で中心的な役割を担っていたのではないかと言われている中で、安倍さんが果たしてどこまで関与したのか。事務所にどういう資料が残っているのかという調査をするのかどうか。それによって、この問題が少しでも解明されていくかどうかですが、これもおそらく岸田さんの口から説明するのはなかなか難しいと思うんです。
ですから「説明する」と言っても、中身について今申し上げた2点で本当の話ができないので、いつまで経っても反対論が増え続けるということだと思います。
ホランキャスター:
1つ目の点、「保守派の皆さんへ…」という話がありましたけれども、「そうです」とも言いづらいですが、「そうじゃないです」というふうに言おうと思っても、それを説得できるだけの材料もないということですね。
星氏:
そういうことですね。「そうじゃない」と言ったとしても、「どういうことでそうじゃないんですか」って聞かれたときに理屈立てて説明できないということだと思います。
井上キャスター:
保守派の人にとっても、これだけ国葬が“踏み絵”のようになってしまっている。「やっぱり国葬じゃなくて別にそれでもいいよ」というふうに、保守派もそっちに動くことはないんですか。これだけ「反対」が増えている。
星氏:
保守派の中でも、元々このような騒ぎにする必要はなかったんじゃないかっていう人もいますから、おそらく安倍さんに対する支持があった人でも、こういう展開については戸惑ってるんだと思いますね。
ホランキャスター:
振り返ってみると岸田総理が発端となって「国葬やります」とある意味、勢いを持って声をあげたと思うんですけれども、あそこで議論をしておけばよかったなというような後悔みたいなものは広がっているんですか。
星氏:
明らかに岸田総理自身も、周りも、あのときに例えば国会に一声かけて与野党の党首会談をやるとか、議院運営委員会に議論してもらうとかっていう段取りを踏んでいれば、こんなことにならなかったというふうに今は後悔していますけど、もう遅いですね。