兵庫県の斎藤元彦知事が知事選でのSNS戦略をめぐり、公職選挙法違反の疑いを指摘されている問題で、斎藤知事の代理人が広報全般を任されたとするPR会社との契約が「口頭契約」だったと明らかにしました。

PR会社「広報全般を任された」

南波雅俊 キャスター:
11月に行われた兵庫県知事選挙で再選した斎藤元彦知事。勝敗を分けたのはSNS戦略。ここについて公職選挙法違反の疑惑が今浮上しているわけです。

きっかけとなったのが、選挙の3日後にPR会社が投稿したコラムでした。内容の要点をまとめています。

<PR会社がコラム投稿>
広報全般を任された
運用戦略立案コンテンツ企画など責任を持って行った
兵庫県にある会社が手がけたということもアピールしたい
⇒SNS戦略は“自分たちが手がけた仕事”
というような投稿があったわけです。

では、続いて公職選挙法について見ていきます。

選挙運動というのは原則“無報酬”です。例外となるのが、事務員、ウグイス嬢あるいは手話通訳者。もしくは、原則公費負担となっているのがポスター・ビラの制作。主に印刷に関しては原則公費負担だということなんです。

これ以外は原則、買収罪に問われる可能性が出てくるというわけです。

そして、選挙運動の企画立案など業者が主体的に行うもの、これに対して報酬を支払うと買収罪適用の可能性が出てくるというわけなんです。

25日、斎藤知事は、ポスターなどの制作費としてPR会社に70万円ほど支払ったと。これであれば違法ではないというわけなんですが、SNSは斎藤事務所が主体的に運用して、PR会社の社長はボランティアとして参加したんだというような主張をしています。

代理人弁護士も、主体的な企画立案への報酬ではなく、これは違法ではないんだというふうに話をしています。

そして、PR会社との契約は口頭契約、正式な契約書は交わしていないという、ここまでがわかっている事実です。

井上貴博 キャスター:
PR会社の社長は、これまで県に絡む仕事をしていた。今回の選挙でも選挙カーに乗るなどしてSNS発信もしていた。ですが正式な契約書は交わしていない。70万円が何だったのか、ボランティアが何だったのか、あとはもうPR会社の社長側も会見を行うべきなんじゃないかなという段階に入ってきた気がするんですが、何か知りたいことが多くあるんです。

安野修右 日本大学法学部 専任講師:
そうですね。あまりにも出てきている事実というのが相互照らし合わせて不整合なことが多いので、まず何よりもその事実認定というのが必要なんだと思います。それに当たっては、当然斎藤さんの陣営側の事実というのも明らかにしていただきたいですけれども、同時に業者さんがどういうふうに行われたのか、どういうふうな取り決めがあったのか、という事実を明らかにしてほしいとまずは思います。