“本人の意思”が見えづらかったのも敗因の一つか

候補者の主張にも光と影があったと思われる。

広沢さんは、河村市政の後継者らしく、市民税減税、名古屋城の木造復元、市長給与800万円は◯にした。

共産党が推す尾形慶子さんは、市長給与800万円以外は全て✖という立場。ある意味、河村市政継続NOの分かりやすい主張を展開した。

広沢さんは河村市政を全て引き継ぐが「品の悪いところだけは継承しない」と河村支持者の心をつかんだ。

一方、大塚さんは市民税減税について「まずは効果を検証」名古屋城木造復元は「現状を把握して市民の声を聞いて検討」と玉虫色の主張を繰り返した。

また、市民給与800万円も「審議会に委ねる」という答えで、本人の意思が見えづらかった点も敗因の一つであったようにも思える。

給食費ゼロ、敬老パスの負担金ゼロ、がん検診代ゼロの「3つのゼロ」を訴えるなど、元国民民主の国会議員らしく「手取りを増やす」公約は市民の心に刺さりそうな政策だっただけに、それらを争点化できなかったことは誤算だったかもしれない。