地球環境に優しいとして今、化学農薬も化学肥料も使わない有機農業が注目されています。国は1%にも満たない有機農地を25%に拡大する目標を掲げましたが、その道のりは…。現場を取材しました。
■有機農業が活況「こんな時代が来るとは信じられない」

毎週土曜日、名古屋市で開かれる朝市。売られている野菜は全てオーガニックで化学農薬や化学肥料を使わず、遺伝子組み換えもしていない。
客
「美味しいし、体にもいいのかなって」
「なるべく薬物(農薬)を使っていないものを食べたい。調理もそんなにしなくてもそのままでも美味しい」
割高で見栄えも悪いと敬遠されてきた有機食材だが、消費者の意識は変わりつつある。20年近く朝市を開催してきた吉野さんは…
オーガニック ファーマーズ名古屋 吉野隆子代表
「もう信じられないですよ。こんな“有機農業”という言葉を聞ける時代が来るとは思いもしなかった」
■出遅れた日本の有機農業 2050年までに農地25%増なるか
だが、日本の有機農業は農地全体のわずか0.6%。世界から出遅れている。

そこで日本政府は7月に「みどりの食料システム法」を施行。2050年までに有機農業を全農地の25%に増やすことにした。そのために農家やモデル地区への補助金を増額する。
政府が有機農業を推進する理由の1つは、環境保護。さらに世界的に食糧事情が悪化する中、高齢化で先細りする日本の農業に新たな担い手を呼び込むためだ。