公文にドローン…様々なプログラムで「できる自信」を身につける
そんな少年たちに向けて、2年前から導入しているプログラムがある。「公文」だ。

罪を犯した人たちの更生を支援する団体と連携して始まったこの取り組み。子どものころから、椅子にじっと座って、授業を受けることが苦手だった彼らは、ここで週に1回、1時間半、算数や国語を学び、できる自信を身につけていく。

この日は初回。1桁台の足し算から始めたが、途中で手が止まったり、間違えたりする姿が多くみられる。
それでも、講師の指導を受けながら自分のペースで進めていくと、半年後には分数の計算までは、できるようになるという。

公文を受けた少年たちに行ったアンケートによると、「勉強が得意になりたいか」という問いに対し、最初は強い気持ちはなかったが、受講後は、皆、勉強に対する苦手意識が減り、自信がついたことを実感している。

公文教育研究会 又吉智恵さん
「できたっていう経験があまりないんだなっていうところは関わっていて感じていて、100点を取れたら嬉しい、やればできるかもしれないという、できたという積み重ねをしているところが学習の気持ちを作る土台になっている」

さらに加古川学園では、少年たちの認知機能の訓練のため、2023年からドローンプログラムを導入した。
指導にあたるのは作業療法士。手元のコントローラーを動かしながら、機体を目で追う操作は、注意力や集中力のアップにもつながる。

ドローンとセットで行われるのが「ペグテスト」と呼ばれる検査だ。ボードに表示される数字と五十音、それぞれの穴に、順番に棒を刺し、かかった時間を測定する。
すると結果は、4人とも、ドローンをやる前より後の方がタイムが早くなっている。中には1分以上縮めた少年もいた。

高知リハビリテーション専門職大学 足立一 教授(作業療法士)
「注意機能が低い子ほど、ぐっと(タイム)上がっていくっていう傾向があるかなとは思います。機械なのでトラブル多いんですよ、そういうときの対応として感情のコントロールであったり、問題解決力とかそういうことも養います」