出院間近の少年たちによる「リスタート宣言」


この日、加古川学園恒例のある取り組みが行われた。出院を間近に控えた少年たちが家族や法務教官を前に、出院後の決意表明をする「リスタート宣言」だ。

「僕は社会でもやってやれる自信があります。ものすごく楽しみにしています」
「転んでも立ち上がり、立派な男になるべく奮闘してまいります」

参加した少年は9人。最後に発表したのは少年院生活に不安を感じ、教官の面接を受けていた、あの17歳の少年だ。

少年(17) 傷害
「少年院に入ったころは気分も落ち着かず、毎日がとても苦痛でした。そんな日々を送っていたある日、担任の先生との面接があり、『大丈夫だ』と励ましてくれたことで、少しずつ話せるようになりました。出院してからは真面目に仕事をして、母の言うことや周りの人の話も受け入れていくようにします。

最後に母へ。正直、鑑別所に入ったとき手紙も面会も何もせんと見捨てられたかと思いましたが、少年院に入り、毎月の面会に来てくれたり…手紙をくれたりした時はホッとしたし、裏切ってきて傷つけてきたのに『生まれてきてくれてありがとう』と言ってくれて、ほんまにありがとう」

少年を1年間指導してきた教官は。

塩尻智也 法務教官
「なかなか成長を実感できなかった子なので、ひとつ形のあるものとして発表できたっていうことは、彼自身もすごく頑張った、信じてやってきたことは必ず力にはなると思います」