■イチ流バッティング指導「とにかく僕は足、下半身だね」
そして、イチローさんのバッティング練習が始まった。まずはトスバッティング。真剣な表情で、イチローさんの一挙手一投足を食い入るように見つめている部員たち。

イチロー:とにかく僕は足、下半身だね。足で力を伝える。あくまでも足のタイミングで上半身がついてくる。手を先に出すことは僕はしない。準備段階でそれを知ることが大事。練習のバロメーターとしてそれを持っておくこと。形は絶対に崩さない。じゃないと自分の動きが理解できないから自分自身で。だから足が疲れます。手は全然疲れない。全部同じです。投げるのもそう。
額に汗を浮かべ、バットを振り続けるイチローさん。「これは試合前の準備段階です。試合前に形を作って次の段階に進む。しんどいよ、息が切れる」
続いてフリーバッティング。「軸足の意識は?」「低めの球は打てるんですが、高めが苦手で」といった質問に対し、バットを手にしてスローモーションでバットを振り、軌道や力の入れ具合などを説明していく。
65スイングでホームラン性の当たりを10本飛ばしたイチローさん。51歳にして鋭い打球を連発するレジェンドに、間近で見ていた部員たちからは「ウォー」と歓声が上がる。最後もホームラン性の当たりで締めたイチローさんに、自然と拍手が起こった。「最後バテても足が使えれば、あの打球が出る。あれも手でやってたら永遠に出ない。今日はここまでです。明日また」と、最後も下半身の大切さを説いて1日目を終えた。