波紋も…司法長官には過去わいせつの疑いで不起訴された人物

齋藤キャスター:
日本の法務大臣に当たる、司法長官に指名されたのがマット・ゲーツ氏(42)です。トランプ氏を強く支持する“保守強硬派”として知られています。
米メディアによると“議会で最も嫌われている議員”と報じられています。過去に17歳少女に対する性的人身売買の疑いで司法省から捜査を受け、不起訴になった経歴を持つ人物です。トランプ氏は「司法省に対するアメリカ国民の信頼を回復する」と話しています。
日比キャスター:
なぜゲーツ氏なんでしょうか。
小谷教授:
トランプ氏はバイデン政権の司法省によって訴追されてきました。ゲーツ氏も訴追まではいかなかったものの、捜査されたことで恐らく2人の間に仲間意識があり、今回政権を取って司法省に“復讐”をするために、そのトップにゲーツ氏を指名したと考えられます。

齋藤キャスター:
ニューヨーク・タイムズは、ゲーツ氏の指名について、「トランプ氏が自らを起訴した司法省職員への報復を求める中、従順な見方に舵を取らせるのは挑発的な動きだ」と報道しています。
日比キャスター:
トランプ氏自身も裁判を抱えている状況ですが、影響はあるのでしょうか?
小谷教授:
当然ゲーツ氏が司法長官になれば、次期大統領であるトランプ氏に対する捜査・訴追は全て撤回することになると思うので、トランプ氏は自ら恩赦をしなくても制度を使って罪から逃れることができると思います。
日比キャスター:
まさに法の部分でも、トランプ氏にとっては都合の良い人事だということですね。
小谷教授:
ただゲーツ氏・ケネディ氏を果たして議会が承認するかという問題が出てきます。通常であれば上院が閣僚を承認しますが、上院が休会している間は、大統領が任命をすると、そのまま2年間は閣僚が議会の承認なしに就任できるというルールがあります。

恐らくトランプ氏は、ケネディ氏、ゲーツ氏、国家情報長官に指名されたギャバード氏の3名は、休会中の任命という形で議会の承認をかいくぐるのではないかと思います。
日比キャスター:
選挙が終わったばかりですが、それで国民は納得できるのでしょうか。
小谷教授:
このシステムは、実はこれまでの大統領は皆使ってきたので、それに対する大きな批判はないかもしれません。
ただ今回のゲーツ氏、ケネディ氏は犯罪や陰謀論の疑いがあるので、特に民主党支持者は大きな危機感を持つと思います。