若い世代の献血協力者は10年で3割減少…

この日、友寄さんが高校生を前に訴えていたのは「献血」の大切さです。1年4か月にわたる闘病中、およそ100回の輸血を受けた友寄さん。患者にとって献血は、いのちを救う贈り物だと話します。

タレント 友寄蓮さん
「輸血をするたびに、たくさんの人に支えられているということを実感しました。輸血をする前は極度の貧血状態で、薬では止められないような頭痛や吐き気、体がとても冷たくて、手足が震えてしまう。そんな状態だったのが、輸血をすると、だんだんと身体がぽかぽかと温かくなってきて、感覚で何となく全身に血が巡っていくのが分かるんですよね。治療中何度も心が折れましたが、血液を通してたくさんの勇気をいただきました」

日本赤十字社によりますと、国内では1日およそ3000人の患者が輸血を必要としている一方で、10代から30代の献血協力者はこの10年でおよそ30パーセント減少しています。

このまま少子高齢化が進むと血液の安定供給ができなくなるといわれていて、友寄さんは特に若い世代の献血を呼びかけていました。

タレント 友寄蓮さん
「若年層の方に献血を身近に感じてもらいたい。献血バスとかかが目に入ったときに、やろうっていう風に思っていただけたらなと思っています」

一度でも輸血経験がある人は献血ができません。そのため友寄さんは、献血の重要性と感謝を伝えるために現在「彩の国けんけつ大使」として献血広報のイベントや講演活動を行っています。

最後に友寄さんは高校生を前に、闘病生活の辛い経験だけではなく、その先に描く明るい未来を伝え続けていきたいと話しました。

タレント 友寄蓮さん
「正直『病気になってよかった』とは、いまどんなに充実していても思わないんですよ。それだけ苦しかった。高校生活という失った時間が大きかったので…」

「うまくいかないときに、『病気になっていなければ』って何度も考えました。だから病気になってよかったとは言い切れないですけど、でもこの人生でよかったなと言えるように、折り合いをつけられるように頑張っているという感じです」

「病気の後に出会ってきた人たちや、今が大切だからこそ、あす死ぬと思ってきょうを過ごし、未来を生きると信じて、いま努力し続けていきたいです」