大接戦となったアメリカ大統領選。トランプ氏が勝利宣言を行いました。支持率が僅差のなか、なぜトランプ氏が優位になったのでしょうか。(6日午後6時30分過ぎの放送より)
トランプ氏 演説で“勝利宣言” 支持率僅差 なぜ優位に?

熊崎風斗キャスター:
トランプ氏がフロリダ州で“勝利宣言“を行いました。
会場にはメラニア夫人、それから息子のバロン氏(18)の姿もありました。バロン氏は8年前(2016年)と比べると、今身長が2mを超えているということで、かなり成長したなという様子もうかがえました。

元々、「リアル・クリア・ポリティクス」の大統領選支持率から、ハリス氏、トランプ氏大接戦になるのではないかというところが注目されていました。
ただ現状、過半数270人に対して、267人までトランプ氏が優位という状況になっています。
井上貴博キャスター:
バイデン氏だったら、もっと大負けしていたのかなという感じもしますが、ハリス氏に足りなかったところを挙げるとするとどんなところですか?
上智大学教授 前嶋和弘さん:
まず、そもそもこの結果は想定内です。要するに“激戦州”はどっちが勝ってもいい。支持率も基本的には誤差を考えると同点なんです。ということは、これはあり得る数字だけど、あえて言えば今回早くいろいろ決まっていたところはそうかもしれない。それは2020年の大統領選の反省で都市部とか郵便投票期日前投票を早く行ったというところがあるかもしれません。
何がハリス氏に足りなかったというのは、もう本当にあと一押しなんですよね。
逆にトランプ氏はうまく「ハリスは(インド系をアピールしていたのに)急に黒人になった」と発言して黒人票の一部が割れました。ヒスパニックも(民主党離れで)票が割れました。女性票も「女性が大統領になることでいいのか」という意見があり、男性票を増やしました。ハリス氏が負けたというよりも、トランプさんの戦略勝ちという方が正しいのではないでしょうか。
ホラン千秋キャスター:
ターゲット層が明確だったのでしょうか。
上智大学教授 前嶋和弘さん:
ターゲットは『迷っている層』です。迷っている層に対して様々なエンターテイナーがありました。例えばハルク・ホーガンさんが共和党大会で着ている服を破くという、おなじみのパフォーマンスを披露しました。このようなことが果たして影響あるのだろうかと思いますが、迷っている人たちにとっては「俺たちと同じような考え方をしてる人がいるんだ」と、最後のひと押しになったのです。このような結果はあり得る話で、過去の大統領選でもありました。このような形で競り勝ったと見ていいと思います。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
本当にそうなのでしょう。両陣営とも不確定要素がたくさんあって、それでしかるべきだと思うので、その全部を包括してしまうわけにはいかないのですが、多分そのような些細なことの積み重ねや機運で変わってくるのだろうと感じました。