“政治分断” 生活にも影響 支持政党の違いから疎遠に

熊崎キャスター:
映像などを通してみても前のめりな支持者が非常に多くいるなという印象があります。それゆえに政治的分断も進んでいると言われています。
アメリカの公共ラジオ「NPR」は1万4636人に調査をしたところ、4人に1人が「政治に関する意見の相違で友情が終わった」と答えています。
さらに「運命の人」を探すとき政治的な考えを重視する人が非常に増えてきているそうです。

またアメリカCNNによりますと、大手マッチングアプリ「Ok Cupid」ではプロフィールで政治的指向(「リベラル / 左派」「保守派」など)を知ることが可能だといいます。
このアプリは2024年、相性の良い相手を表示しやすくするために“大統領選”の質問を追加しました。質問内容は「投票するかどうか」「自分と異なる候補者に投票する相手と付き合えるか」などがあるそうです。
アメリカ国民にとって大統領選はかなり身近な存在であるということが、このアプリでも伺い知ることができます。
井上キャスター:
意見を自由に言い合うイメージがあったのですが、いがみ合いが強くなっているのでしょうか。
上智大学教授 前嶋和弘さん:
アメリカ国民にとって“政党支持”は生き方そのものなんです。世界観、例えば多様性がいい、一方で伝統的な保守的なキリスト教的な感覚がいい、あるいは銃規制もそうです。わかり合えないという壁は大きい。自由だから逆に自分の主張をする。こういうことだと思います。
井上キャスター:
そうなると選挙が終わりではなく、ここからスタートということでしょうか。
上智大学教授 前嶋和弘さん:
これで分断が終わるはずはないでしょう。むしろハリス陣営は、ほぼ同点で負けたのですから余計悔しいわけですよね。この4年間どうなっていくのか。連邦議会選挙は下院の結果がまだ決まっていませんが、分断が進んで物事がうまくまとまるかどうかですね。
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<プロフィール>
前嶋和弘さん
上智大学教授 専門は現代アメリカ政治
中でも「メディア」「選挙」「連邦議会」の関係を研究