殺害の態様は、ロープを用いて2名を手早く絞め殺すというものであった。
被告人は、まず妻に対して、背後から近づいて突如首にロープをかけ、これを外そうともがく妻の抵抗を排して2、3分絞め上げ、ぐったりとして鼻から血が出ていたにもかかわらず、手が震えているように見えたため、まだ息があると考え、 再度首を絞め上げて、完全に動かなくなったことを確認した。
続けて、妻を起こすようにその肩辺りをたたく長女を見て、その首にロープをかけて絞め始め、眼前で苦しそうに泣く姿にも構わず、2、3分間力を緩めず絞め続けた結果、泣くこともできなくなってぐったりとしたにもかかわらず、鼻提灯が膨らんでいるのを見てまだ息があると考え、再度首を絞め上げて、完全に動かなくなるまで続けていた。

いずれも一度目に相応の時間を掛けて首を絞め上げているにもかかわらず、僅かでも生きている可能性を認識するや再度絞め上げて息の根を止めたのであり、強固な殺意に基づく極めて悪質なものといわなければならない。
絞殺するため事前にロープを購入したり、窒息死に至る時間や血痕の拭い方を事前に検索するなど、犯行は計画的である上、殺害後は稚拙ながらも妻による無理心中に見せかけるため、妻の携帯電話機を用いて遺書を作成したり、ロープを現場に垂らしておくなどの偽装工作も行っており、犯行後の情状も相当悪い。