「なんであんな冷静な人が助けに行ってしまったのか」

 事故はなぜ起き、どうすれば防げるのか。岡さんが選んだのは研究者の道でした。

 (岡真裕美さん)「なんであんな冷静な人が助けに行ってしまったのか。ずっと謎やったし、事故のことを勉強しよう、勉強すれば何か見えてくるかもと」

 岡さんは隆司さんの母校でもある大阪大学の大学院に入学し、安全な行動についての研究を始めました。レスキュー隊員などに聞き取りを行い、最新の研究に触れるなかで、人が溺れている場面に遭遇したときの対処法についても自分なりの答えを見出しました。

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 (岡真裕美さん)「絶対に(川に)入らないで、陸上からできる救助をする」

 川は急に深くなったり流れの変化があったりと、予測できない危険があります。安易に川に入らず、ロープや浮くものを投げ入れ、救助隊などの到着を待つべきだと言います。

 (岡真裕美さん)「やっぱり一番にできるのは通報、119番。海だったら118番。もし沈んでしまうところがわかったら、その場所を覚えておいて、ここで沈んだというのをチェックして、救急が来た時に『あそこらへん』と言うと探しやすくなる」