偽物を販売しているのは中国の企業?現地のビルで取材

 では偽物の富士山グラスはどのような企業が販売しているのか。その手がかりがグラスにあった。グラスに貼られたシール。中国語で「透明小型」と書かれている。中国の企業が販売しているのだろうか?
 取材班は偽物の富士山グラスを販売する通販サイトに連絡してみた。

 【通販サイトからのメッセージ内容】
 『電話は修理中です。使用できない可能性があります。住所は香港九龍のビル12Fです』

 通販サイトの運営企業は中国の企業で、本社は香港にあるという。
 そこで取材班は現地に向かった。香港の繁華街にある雑居ビル。12階の看板には通販サイトを運営する企業名は書かれていない。フロアを確認してもそれらしき会社は見当たらなかった。
 ビルの入居者らに話を聞いてみた。

 (ビル入居者)
 「(Q隣の会社は日本の商品を販売していますか?)よくわからないけど昔はカプセルトイの器材を販売していたよ。(Qお酒のグラスのような物を見たことはありますか?)ないですね」
 「(Qグラスのような物を販売していますか?)わかりません。(Q日本の商品を販売している会社はありますか?)全くないよ」

 ビルの管理会社にも確認したが、結局、通販サイトの運営企業はこのビルに存在しなかった。

「こんなことで金もうけして楽しいですか?」

 偽物の富士山グラスは今も販売されている。泣き寝入りを強いられている田島硝子は憤りを隠せない。

 (田島硝子 田嶌大輔社長)
 「騙して物作りするっていうのは、物作りをやっている会社からすると非常に腹立しい気持ちになるし。逆に言うと『こんなことで金もうけして楽しいですか?』みたいなところはありますよね」

 通販サイトで公然と販売されているメイドインジャパンの模造品。被害を食い止める対策が求められている。