社長が本物と偽物を比較「全くの別物ぐらい違う」

 社長に通販サイトで購入したグラスを見てもらった。

 (田島硝子 田嶌大輔社長)
 「(偽物は)似て非なる物というよりは、うちらの世界からすると全くの別物ぐらい違うと思います。そもそも形がだいぶ違うというところと、口元の繊細さとかが全く表現されていないので。(偽物は)かなり分厚い」
 
 本物と偽物のグラスを比べると、本物の方は富士山が繊細に表現されている。一方で偽物の方は凸凹が少なく、のっぺりしている。見比べると違いは明らかだ。
 続いて飲み口の厚み。本物は約1.5mmと薄いが、偽物は約5mmと一見して分厚いのがわかる。
 さらに側面にある桜の模様。偽物はとても桜の花びらには見えない。

 (田島硝子 田嶌大輔社長)
 「うちの富士山グラスを知らない人は、これを手に取った時に『田島硝子ってこういう物を作ってるんだ』『こんなひどいものが今ネット上で評判なんだ』『日本の物作りも大したことないな』とか。そう思われたなら本当につらいです」

本物の会社に『偽物への苦情』が…

 しかし偽物とは全く関係がない田島硝子にも苦情がたびたび寄せられている。特に2月23日の「富士山の日」の前後は苦情が殺到したという。

 (田島硝子 田嶌大輔社長)
 「(苦情が)1日100件くらいは来ていたかもしれないですね。『これギフトであげようと思ったんですけど箱にも入っていないなんてひどくないですか』とか。極論『お前の所がしっかりやっていないから俺が騙されたんじゃないか』みたいな問い合わせが」
 田島硝子はHPで偽物を買わないよう注意喚起しているが、偽物を販売するサイトは次々登場するため打つ手はないという。