■異なる意見を知り、対話が生まれ、変化が起きる…そして調和が成立する
演説が終わった後、山口さんと富永さんの声は少しだけ明るかった。
「中村氏が北海道新幹線延伸について話していたが、私が隣にいた年配の男性に『新幹線は通らないですよね』というと、『そうですよね』と答えた。自民党支持者でも、変だと思っている」富永恵子さん
「私たちだけでは『軍拡よりも生活』という横断幕を広げられなくて、隣にいた自民党支持者と思われる男性が端を持ってくれた」山口たかさん
街頭演説は、政治家の話を聴衆が一方的に黙って聞く場ではない。「あなたの政策に反対の人間もいる」と声を上げ、政治家に伝えられる貴重な場でもある。そして開かれた自由な場だからこそ、さまざまな考えの市民が集う。自分と異なる考えを持つ人と出会い、多様な意見の存在を知る。そして対話が生まれる。変化が起きる。調和が成立する。それが民主主義のダイナミズムといえる。
要人警護の名のもとに、街頭演説の会場がますます厳重になり、支持者しか集まらなくなる。一つの意見に染まった世界に、多様性や自由は生まれにくい。だからこそ、多勢に無勢であっても、声を上げ続ける山口さんらの行動が、この時代に大切な意味を持つ。
「私たちの不断の努力で行使していかないと権利は失われてしまう。疲れますけどね(笑)。やり続けなくてはいけない」山口たかさん
奪われそうになった権利を取り戻した若者がいる。その権利を守ろうと行動する人たちがいる。どうか分かってほしい。私たちが空気や水のように当たり前のように享受している権利は、誰かが戦った結果であることを。たとえヤジを迷惑だと思っている人にも、その権利の光は注がれることを。
◇HBC北海道放送:山﨑裕侍
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