手紙を書いた後に心境の変化があった

悲しみや迷い、そして出会い。会では、朗読を通して髙橋さんの思いを伝えました。

会の後「結構、赤裸々に自分は書いていたんだなと思った」と髙橋さんは語りました。

髙橋匡美さん:
「自分で自分に宛てた手紙なのに、藤沢さんに朗読してもらうと不思議な感じがしたんです。心にしみました」

13年間、被災地の取材を通して声を届けてきた藤沢さん。この本は、特別なものだと言います。

元TBCアナウンサー 藤沢智子さん:
「手紙、しかも10年前の自分。だからそれぞれだれも聞いたことのないことが書かれているとか、胸の内というか心の中のものを吐露しているというか。大切な人を亡くしたりそれから災害にあってなにか大変な目にあったりしたひとたちに寄り添えるような企画ができたらいいなと」

高橋さんはこの手紙を書いたあと、心境の変化があったといいます。

髙橋匡美さん:
「自分と同じ思いを全部共感してほしいと思いながら(語り部を)していたんですけど、あれから時が経って手紙を書いた頃からは、私のはなしを聞いてくれた人がその人なりになにかを少しでも感じてくれればいいなという思い。自分とか他人とかに少しずつ優しい気持ちになってくれればと思うようになった」

10年以上経ったいまだからこそあの日の自分に届けたい思い。強い祈りと言葉の力は時を超えると信じています。