あの日以前の私へ、あの時以降の私へ
19日、本番当日。満席のホールの中には手紙を書いた髙橋さんの姿もありました。

ピアノに合わせ、髙橋さんの手紙の朗読が始まりました。
手紙の朗読:
「『今すぐ石巻へ車を走らせて!!!高橋匡美』こんな手紙が突然届いて、おそらくあなたは誰かの悪い悪戯かと、びっくりしている事でしょう。でも私は間違いなく、未来のあなたなのです」

あの瞬間の1時間前の自分にあてたメッセージから始まり、あの日以前の私へ、あの時以降の私へと、移り変わります。
朗読:
「人はいずれ皆死ぬとわかってはいたけれど、あんな形で奪われたたくさんの命。それがなぜ、よりによって私のお父さんとお母さんなのか。生き残っている人も、何も失っていない人もいるのに。そんな理不尽さを受け止めることがあの時のあなたによくできたね。いや、受け止めてなんかいないか。受け止めたくなくても受け止めざるを得なかった。逃げたくても逃げ場などどこにもなかったものね」