「臨時情報」の見直しは不可欠

石橋克彦・神戸大学名誉教授
「(臨時情報の)科学的根拠と制度設計、これは車の両輪で非常に大事なものだけれども、今回は残念ながら両方ともに問題があったということです」

初の「南海トラフ地震臨時情報」の発表に痛烈な“ダメ出し”をした石橋氏。今後に向けては、はじめに想定震源域の見直しを行った上で、大震法の廃止とともに「臨時情報」の再検討が必要だとの考えを示した。

余談だが、実は石橋氏は、地震研究者としては南海トラフ地震評価検討会会長の平田直氏(東京大学名誉教授)の先輩にあたる。平田氏によれば、東京大学理学部4年生のときに地震観測の手法を、当時助手だった石橋氏から教わったという。
奇しくも22日の石橋氏の発表前には平田氏も同じセッションで招待講演を行っていた。もし質疑応答や討論の時間が十分にあれば、“師弟対決”が実現したかもしれない。

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