批判、疑問視、見直し提言…研究者たちが学会で「臨時情報」の問題点を指摘
近い将来の発生が懸念され、最悪の場合、東日本大震災を一桁上回る規模の甚大な被害が想定される南海トラフ巨大地震。2024年8月8日に想定震源域内の日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生したことをきっかけに、気象庁から「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」と「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が、いずれも初めて発表された。
国が「大規模地震の発生可能性が平常時よりも相対的に高まっている」として「日頃からの地震の備えの再確認」を呼びかけた一連の過程で、戸惑いや疑念、不安を覚えた人々が一定数いた。一方、地震や防災の専門家たちは、ほぼ定められた手順どおりに発表されたとはいえ、初の「南海トラフ地震臨時情報」(以下、「臨時情報」)をどう受け止めたのか。
10月21日~23日に新潟市で開催された日本地震学会の2024年度秋季大会で、複数の研究者が「臨時情報」や発表のしくみなどについて批判し、疑問を投げかけ、見直しを求めた。それらの内容について報告する。
