VOTE23・みんなの選択は?今回は総選挙の争点の一つ「原発再稼働」についてです。瞬時に動画や文章を作成してくれる「生成AI」。こうしたAIの普及などにより今後、電力需要の増加が見込まれています。世界ではいまIT企業が原発に熱い視線を向けていますが、日本はエネルギー政策をどう進めていくのでしょうか?

生成AI“電力爆食”世界の課題に

国内最大級のデータセンターを運営しているクラウドサービスの大手企業。

サーバーを冷却する風を求め、気候が冷涼な北海道にデータセンターを建てましたが、生成AIの開発やサービス提供には膨大な電力が必要だといいます。

さくらインターネット株式会社 前田章博取締役
「(AIは)従来のサーバーより大体10倍近くの電気を消費します。端的に言うと10倍分の冷却装置が必要になってくるといったような状況」

この企業は、水力発電を中心に100%再生可能エネルギーを使用。さらに、データセンターの近くに太陽光発電所を建設。自ら電気を作り、サーバーを動かしているといいますが…

石破茂総理
「AI時代の電力需要の激増も踏まえつつ、脱炭素化を進めながら、エネルギー自給率を抜本的に高めるため、省エネルギーを徹底し、安全を大前提とした原子力発電の利活用。再生可能エネルギーの最適なエネルギーミックスを実現し、日本経済をエネルギー制約から守り抜きます」

石破総理は、AIによる電力需要の急増に応えるため、原子力発電を活用していくと発言。実は今、アメリカでは大手IT企業の間で、安定した原発の電力を活用しようという動きが広がっています。

マイクロソフトは9月、スリーマイル島原発から電力の供給を受けることが明らかになりました。グーグルは小型の原発開発を手がける企業から電力を調達する契約を結んだと発表。アマゾンは、小型モジュール炉の開発企業に5億ドル(約750億円)を投資するとしています。

アマゾンウェブサービス グローバルデータセンター担当 ケビン・ミラー副社長
「AIは大量の電力とデータセンターを必要とすることは明らか。そして私たちは二酸化炭素を排出しない電力供給を目指していく」

原発に熱い視線を送るアメリカのIT企業。専門家は、AIのデータセンターに電力を供給する電源として原子力が最適だと話します。

エネルギー専門家 マーク・ネルソン氏
「IT企業はAIデータセンターの建設後10年〜20年後の1分1秒ごとに電力がどこから来るのか正確に知る必要がある。それができるのは原子力だけだ」

AIの普及で必要性が高まる原子力発電。日本も例外ではありません。