大笑いした「クラスメイトの女子」
田幸 私の中では「クラスメイトの女子、全員好きでした」(読売テレビ)がダークホースで、まさかの一番好きな作品になりました。あっ、こういう子って、中学の同級生にいたねみたいな、あるあるエピソードを魅力的に描いていました。
主人公は、子どもの頃に自分の愚痴を書いたノートをタイムカプセルに入れたんですが、その後カプセルを開いた時に、自分のではない別のノートが誤って送られてくるんです。そのノートに書かれていた小説がめちゃくちゃ面白かったので、もともと小説家志望だった彼は自分の作品として発表して大きな賞を取ってしまう。
主人公は盗作という秘密を抱えていられず、編集者に謝罪して、一緒に元ネタの作者を探していく。そういう縦に一本続くストーリーがあるので、スリルも出てきて、ゲラゲラ笑って楽しめました。
この作品のポイントは、主人公が好きだった人に、それぞれ変なところがあるんですね。すぐゲロ吐いちゃうとか、プロレスが得意とか。イジリや、ともすればいじめにつながる可能性すらある個性なのに、その多様性、人と違う異質な部分を全肯定する主人公がすばらしい。こういう人がいるところではいじめが起こらないと思うぐらいでした。
あと、回想シーンで主人公の中学時代を演じた及川桃利さんがとてつもなく魅力的でした。オーディションで選ばれてドラマ初出演ですが、初演技とは思えない将来性を感じました。
影山「GO HOME」(日本テレビ)はいかがでした?
倉田 身元のわからないご遺体を、家族のもとに返したいという気持ちは誰もが共感するでしょうし、一つ一つのエピソードに泣ける話もありました。でも、全体的なつながりが欲しかった。
影山 かつては、引っ張り、つながりのある連続ドラマは嫌われる、みんな忙しくて毎週見ていられないから1話完結がいいと言われてきました。でもここのところ魅力のあるドラマで、引っ張って引っ張ってのほうが、視聴者の琴線に触れるような気もしますね。
田幸 あと、全体にお話はいいのに、ちょっと軽い印象がありました。