現場で活躍80人の高齢者を見守る”介護テック”

実際の現場では介護テックがどのように使われているのでしょうか。

北九州市戸畑区の特別養護老人ホーム「やすらぎの郷牧山」では、約80人の高齢者の生活を見守る最新の介護システムを運用しています。

介護士主任 矢ヶ部那知さん「静態センサーと起き上がりセンサー、それにカメラによって、職員のタブレットやモニターで利用者の状態をリアルタイムで見ることができます。例えば、ベッドに誰も寝ていない場合、「離床」、ベッドから離れて起きていらっしゃいますという表示になります。そして人が寝ると「臥床」という表示になります」

RKB 江越楓 リポ-ター「眠っているか眠っていないかもセンサーで分かるんですか?」

介護士主任 矢ヶ部那知さん「そうですね」

さらに毎日測定する体温や血圧などは、測定するだけで自動的に個人記録の画面に登録。

パソコン上には個人の測定記録がグラフで表示される仕組みとなっています。

RKB 江越楓 リポーター「グラフまで?これまでは手書きでされていたんですか?」

介護士主任 矢ヶ部那知さん「手書きで定規を使ってやっていたんですが、それも全部パソコン上でやってくれるので、大幅な時間短縮につながっています」

また、見守りシステムは職員のインカムに連動しているため、以前はナースコールが鳴ると慌てて駆けつけて状態を確認していましたが、現在はインカムとスマホの画面上で状態を確認、落ち着いて対処することができるようになったそうです。

介護士主任 高浪奈津美さん「利用者さんも夜間に明かりを照らされて、安否確認をされるというのではなくて、ちゃんとベッド上で休まれている状態で確認がとれるというのは、お互いのためにメリットがあるのかなと思っています」

こうした最新システムの導入で、職員の作業時間短縮など現場での効率が改善されることによって、入居者とのふれあいや会話をする時間が増えるという効果もあらわれています。

やすらぎの郷牧山 熊谷妙子 施設長「絶対に人の手じゃないといけない作業もあります。例えば食事の介助やおむつの交換など。ですがそうじゃなくてもいいものって実はたくさんあって、人の手で絶対にするものと、ロボット化していくものと、ある程度しっかり分けて活用していくことがいいんじゃないかなと思っています」