■「みんな国旗を出しなさい」世帯ごと弔旗掲揚 銀座では“異なる”風景

一方、住民にはどう受け止められていたのか。

写真に写った吉田邸近くで理容店を営む吉川圭子さん。当時も同じ場所にいて、沿道に並んだという。

吉川圭子さん
「ずっとここ(道路)に立っていた。この辺で。うちは貧しくて国旗が無かった。それでも買ってきたのを覚えている。この日のために」

膳場キャスター
「国旗はなぜ買ったんですか?」

吉川さん
「国旗を揚げるって。『みんな国旗を出しなさい』と言われた」

膳場キャスター
「それでわざわざ購入も?」

吉川さん
「購入しましたよ。本当に1回しか立てないのに」



膳場キャスター
「それでもみんな『えー』という空気は?」

吉川さん
「なかった。当たり前だった」

国葬当日の写真には、その日の丸がしっかりと映っていた。大磯町内では、世帯ごとに弔旗が掲揚されたという。

しかし、吉田邸から離れた東京・銀座では、全く異なる風景が。黙祷の時刻、午後2時10分に黙祷したのは、警察官だけ。周りの人々はその様子を見つめていた。