選挙妨害事件を経験した東京15区の有権者だからこそ…
この日、会場に集まったのは約80人。参加者によるメッセージの一つには、こう書かれていた。
「意見がちがう相手にもお茶を出せる優しさを(原文ママ)」

パネルディスカッションが終わり、立候補予定者と参加者が自由に意見を交わす場も設けられた。初めて一同に会して舌戦を終えた立候補予定者と、その様子を見守った参加者は、どこか清々しい表情で会場を後にしていたように感じた。
選挙に「負のイメージ」が定着している東京15区で行われた小さな取り組みだったが、そこには民主主義の根幹となる選挙を守ろうとしている人たちがいた。
それでも東京15区では根強い政治不信の声があるのも事実だ。
各候補者が、そうした声にどう向き合い、政治への関心を失った人たちにどうアプローチするのか、見届けたい。
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執筆:岸将之(TBSテレビ 調査報道部特別報道班)
東京・葛飾区出身。社会部では東京地検特捜部や裁判所などの取材を担当。その後、「報道特集」では東京五輪の「弁当13万食廃棄問題」や、侵攻が始まった翌日からウクライナ・ベラルーシの両国で取材をした。
2024年7月から所属する特別報道班では、M&Aで中小企業が悪意ある買い手企業の被害に遭っている実情を取材。














