息子の入所先はいつ…先の見えない施設探し

突然パニックを起こす「強度行動障害」がある涼太さん。母親の和美さんは、涼太さんが将来、家を出て暮らす「施設」を探していて、この日は、グループホームの見学に向かおうとしていた。

和美さん
「今日は、なんとか良い話にまとまればいいなと思って行くんですけど、今までの経験上、期待しすぎるとダメだった時にショックなんですよ。最後になってくれるといいんですけど」

向かったのは、車で3時間かかる岐阜市。グループホームは住宅街の中にひっそりとあった。このホームには強度行動障害のある人も暮らしているという。

一見、普通の民家だがテレビの前にはアクリル板が設置され、リビングとキッチンとの間にはフェンスがあり、突然のパニックに備えた対策が施されている。

現在、定員4人に対し、入所しているのは2人。和美さんは、涼太さんの受け入れについて話を切り出した。

和美さん
「動画見ていただいたと思うんですけど、涼太のようなパニックがあると、受け入れを断られてしまうことが多くて」

グループホーム担当者
「パニックになる前の兆候とか、そこで止められれば一番いいですよね」

和美さん
「突然やってくるんですよ」

グループホーム担当者
「こちらの世話人(職員)の特に女性から言えば、何かこういう風にすればいいという方策が確立されていればありがたい。たぶん私でも一生懸命抑えようとしても、かなわないと思う」

このグループホームに常駐する職員は一人。女性や高齢の職員もいるため、「涼太さんがパニックを起こさない方法があれば、受け入れられる」との回答だった。

和美さんは見学の結果を夫に報告した。

和美さん
「(夫も)やっぱり難しいよねって言ってた、パニック対応の策を考えるのが。そこができていればどこでも入れるよねって」

和美さんたちは、このグループホームを諦め、また、新たな受け入れ先を探すことにした。

自分たちが年老いて動けなくなる前に、息子が落ち着いて暮らせる場所を見つけてあげたい。しかし、先行きはまったく見えていない。