(鎌田英司社長)
「じゃ、売ってけで(売って下さい)と電話で話したらば、いや売らないと。俺はお金で売る気はないと。その代わり気持ちでは売る気はあると。じっくり話を聞かせてちょうだいと言われて、いっしょうけんめい今の思いとか、津波に対しての話とかいろいろ言ってったら、相手がもう参ったわと。あんたに譲ろう!俺の最後の機械を、と」

レトロなハンバーガー自販機は、1971年に世界初となる冷蔵保存電子加熱式として製造されました。

製造から50年以上経ちますが、今も現役で動いています。

(記者)
(硬貨を入れる→チャリンチャリン)
「これを押すと」
「加熱中というランプが点きました」(ゴトン!)
「あっ出てきました。出てきましたよ!ほら、チーズバーガー。うわぁ懐かしい!」

1個300円のこの自動販売機専用のチーズバーガーを作るメーカーは現在、国内に1か所しかありません。
昔は全国にあったハンバーガー自販機ですが、時代の流れで次々に引退し、ほとんど見かけなくなりました。

半世紀以上稼働するレトロなその味は、鎌田さんに震災から再び立ち上がる勇気をくれた味でした。