箱根駅伝の悔しさをニューイヤー駅伝で

Hondaとトヨタ自動車はニューイヤー駅伝の覇権を争うライバルチーム同士。22、23年大会をHondaが2連覇したが、今年はトヨタ自動車が2区から独走優勝した。Hondaは3000m障害の青木涼真(27)、マラソンの小山直城(28)、10000mの伊藤達彦(26)が、東京五輪以降の世界陸上&五輪日本代表入りをしてきた。トヨタ自動車は10000mの太田智樹(26)と田澤廉(23)、マラソンの服部勇馬(30)と西山雄介(29)、西山和弥(25)が代表経験選手だ。

両チームとも選手層が厚く、駅伝メンバー入りは簡単ではない。中野は「練習をしっかりこなして、調子の良さをアピールしていきたい。(11月3日の)東日本実業団駅伝や(例年11月後半の)八王子ロングディスタンスで結果を出して、ニューイヤー駅伝につなげたい」とメンバー入りへの意欲を示した。吉居も「メンバー入りも簡単ではありませんが、連覇がかかるチームに絶対に貢献する、という責任感をもってやっていきます」と気を引き締める。

前述のように2人とも、大学時代の箱根駅伝では区間賞を取っている。吉居は2年時に1区、3年時に2区で、中野は3年時に3区で獲得した。2人が3年時の23年大会で、中大は2位と好成績を残した。

だが28年ぶりの優勝を狙った今年はチーム内に感染症が広がり、2人も大会前に体調を崩してしまった。区間賞を取った前回と同じ区間に出場したが吉居は区間15位、中野は区間20位。チームは13位に終わった。「駅伝の悔しさは駅伝でしっかり返したい」と中野の駅伝への思いは強い。

「中大は最後苦しい状況で、シード(10位以内に与えられる次回出場権)も取れませんでした。これまで自分がやってきたことの証明という感じで、実業団で結果を出していきたい。ニューイヤー駅伝優勝だったり、区間賞だったり、区間新だったり、歴史に残るような走りをしたいです」

ニューイヤー駅伝の優勝争いに、ルーキー2人の走りがどんな役割を果たすだろうか。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

※写真は左から中野選手、吉居選手