“日本にはない味”で外国人の舌をつかむ
そして、「過去最高の売り上げ」になっているのは、カラムーチョや、ポリンキーなど100種類以上のお菓子を世界50か国以上で展開している『湖池屋』も。

海外で売れるには、日本人にはわからない味覚や感覚をどう表現するかがカギ。過去にアメリカで発売した「ポリンキーの明太子味」は撤退を余儀なくされたこともあるといいます。
『湖池屋』海外事業部 柏崎勝利さん:
「めんたい味は日本人には非常においしい食べ物というイメージだけど、アメリカでは『え?あの卵の食べ物?』と受け入れられなかった」
売れる味を見極めるために重要なのが、現地にいる海外担当とのミーティングです。台湾の担当者からは、10年前に発売するも売れずに販売終了となった「すっぱムーチョ」についての報告が。

『台湾湖池屋股份有限公司』竹村和憲さん:
「6月に再販開始してから非常に好調。前は酸っぱいのが得意じゃない、苦手という人が多かったけど、日本に行く台湾の人も増えて、味覚についてもだいぶ慣れてきている。昔ほど抵抗がなくなっているのも大きいのかなと」
一方、ベトナムは正反対。「カラムーチョ」が辛すぎて食べられないとの声があり、甘辛くするなど味を調整。さらに子どもでも楽しめる“辛くない”ベトナム限定の商品も開発したのです。ミーティングでは、その商品についての報告がありました。

『Koikeya Vietnam Co.,Ltd. 』井上敦司さん:
「KOIムーチョは、現地ならではの味というところもあって、非常に数字がいいです」
ベトナム限定の「KOI(コイ)ムーチョ」。日本の「スコーン」に似たスナック菓子で、バターガーリック、コーンミルク、ハニーバター、バーベキューの4つの味を用意。パッケージには、ネコ型ロボットをデザインしています。
ベトナムでは日本のお菓子人気が高いとのことで、湖池屋では日本より多い15種類のスナック菓子を展開中。
ホーチミン市在住のTHETIME,特派員・三上ナミさんが、地元の人が多く利用する個人商店に行ってみると、店先にズラリと並んでいました。

店主:
「値段がベトナムのお菓子と変わらないムーチョはすごく売れている。子どもにはコーンミルク味が人気です」
中学校の売店に並ぶスナック菓子も、半分は日本の商品です。

男子生徒:
「カラムーチョの海苔味が好き。ベトナムに無かった味のお菓子だから」
女子生徒:
「甘辛い味が好きだから甘辛ムーチョが好き」

昔からあるベトナムのお菓子より、日本のお菓子が売れているとのことでした。