▽沖縄病院 脳神経内科 渡嘉敷崇 特命副院長
「患者さんのご負担としては、2週間に1回は点滴をするということで、そのご負担がひとつと、もうひとつは年間通すと結構なお薬代になります。時間的・経済的なご負担が、患者さん側には大きいと感じています」
レカネマブは、2週間に1回、1時間程度の点滴治療を1年半行うほか、副作用などを確認するためMRI検査も必要で、通院が必須。
また、年間298万円と高額で、医療保険は適用されますが、診療費などをあわせると、3割負担の場合、月額約10万円かかるとされています。
さらに、沖縄ならではの課題も―
▽沖縄病院 脳神経内科 渡嘉敷崇 特命副院長
「本島内であれば、2週間に1回、頑張って通えるという方もいらっしゃるんですけど、離島で台風の時期に来れないとか、前もって来てもすぐ帰れないとか、そういう負担を感じます」
渡嘉敷医師によると現在、レカネマブを投与できる医療機関は本島内の3か所のみで、投与の対象となるかを診断する検査方法も限られています。今後は、離島を含めた体制構築が待たれます。
認知症を完治させるのではなく、進行を遅らせるレカネマブ。その効果について、渡嘉敷医師はー
▽沖縄病院 脳神経内科 渡嘉敷崇 特命副院長
「現状で言えるメリットは、やはり時間を遅らせることで、ご本人の意思がよりはっきり伝えられる時間が作れるってことだと思います。今後どういう風な生活をしていくかとか、今後を考えるための時間が作れるっていうのは非常に大きいと思います」
<記者MEMO>
実際にレカネマブを使っている患者からは、「(症状が)変わっていないのが良いことかもしれない」「不安が強かったが、治療が受けられることで希望が持てる」など、治療の選択肢のひとつとして前向きに捉える声が届いているようです。
一方で渡嘉敷医師は、「レカネマブの投与対象とならない認知症患者をどうするかなど、医療機関のみならず、社会全体で認知症とどう向き合うか考えることができれば」と話していました。
認知症は、早期発見・早期治療が重要とされています。同じことを繰り返し聞くなど、気になる症状が見られたら、かかりつけ医などに相談してください。また費用の高額さのハードルについては、「高額療養費制度」が適用される場合もあるので確認が必要です。














