アルツハイマー型認知症の治療薬で、国内の製薬大手「エーザイ」と米国の製薬会社「バイオジェン」が共同開発した「レカネマブ」。沖縄県内でも今年4月から投与が始まっています。

県内では今年3月末時点で、65歳以上の高齢者のうち「約8.1人に1人」が何らかの支援が必要とされる「認知症高齢者」とされています。

認知症にも様々ありますが、原因となる病気のうち全体の約7割がアルツハイマー病です。「レカネマブ」は、その治療薬として注目されています。

「レカネマブ」を使用できるのは、認知症の進行段階のうち「軽度認知症」か「軽度認知障害」の患者で、その原因がアルツハイマー病、かつ「アミロイドβ」という物質が検出された患者に限られます。つまり、認知症の早期段階の投与で効果が期待されるわけです。

レカネマブは、認知症を完治させるのではなく、進行を遅らせる効果があるとされ、エーザイによると、2週間に1回・1年半の投与で、症状の悪化が27%抑えられたということです。

これは、症状の進行をおよそ7.5か月遅らせることに相当します。

レカネマブは、米国や日本など6つの国と地域で承認されていますが、ヨーロッパ(欧州医薬品庁=EMA)では、「その効果が、脳の部分的なむくみや小さな出血など副作用のリスクに見合わない」などとして承認が見送られ、現在、再審査が行われています。

そんなレカネマブをめぐる県内の現状について医師に聞きました。