FRB大幅利下げ 株価・為替への影響は

0.5%の大幅な利下げにもかかわらず、予想外の反応を示したのが為替市場。日本時間9月19日午前3時。0.5%の利下げの声明発表直後に、1ドル142円前後から1円以上円高に振れた円相場は、その後、パウエル議長の会見が始まり、利下げペースが緩やかになるとの見方が広がると、一転。ドルが買われ、円が売られる展開になった。大幅利下げなのに、なぜ円安・ドル高なのか。番組の為替予想でおなじみの花生浩介氏に訊いた。

バルタリサーチ 為替ストラテジスト 花生浩介氏:
ある意味0.5%というのは意外だったと思う。0.5%大幅利下げするならば(市場は)結構景気が悪いとFRBが見ていると思った。(パウエル議長が)一番言っていたのは「アメリカの景気は良い」。それなら、あまり大幅な利下げをしなくてもいいのではないかと。債券市場と為替市場もFRBの思惑、もしくはパウエル議長の意向をはかりかねている。結果的にみるとポジション調整的にドルが買い戻されたということ。
FRBの大幅利下げの発表から一夜明けた9月19日のニューヨーク株式市場は、ダウ平均株価が史上初めて4万2000ドルを突破。史上最高値を更新した。日経平均株価は円安の追い風もあり、2日連続で500円以上値上がりしている。「金融引き締め」から「緩和」へ。大きな転換点を迎え、今後の為替相場の見通しはどうなるのか。
バルタリサーチ 為替ストラテジスト 花生浩介氏:
日本を除く先進諸国は、金利をピークアウトさせて、利下げ局面に突入したということは基本的には明らか。(アメリカは)これから1年半ぐらいかけて1.5%ぐらいは下げるだろうといわれている。それに対して日銀は1%ぐらい上げるかもしれないと、そうすると、日米金利差は3%ぐらいまで縮小するであろうと言われているが、過去数年で金利差が3%台。アメリカの例えば10年債が3%ぐらいだった時、いつ頃かというと大体2022年の夏から秋ぐらい。その時の水準は大体(1ドル=)135円とか137円ぐらい。だからこれから(1ドル=135円)を目指すことはあるかもしれない。円安に行かないが、どこまで円高に行くか比較的限界もあるだろう。