新代表決定で自民総裁選への影響は?
井上貴博キャスター:
「新鮮味がない」という声もあれば、「重厚感・安定感がある」という声もあります。

事前に行われていた調査結果通り、野田佳彦氏(67)が新代表に選ばれました。この結果が自民党総裁選挙にも影響するのではないかとも言われています。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
自民党総裁選や立憲民主党の代表選をいろいろと取材してきましたが、野党の代表選挙が先にあって、それが自民党総裁選に影響するという現象は初めてなので、そういう点では、日本もようやく二大勢力が相争うという構図が見えてきたのかなという気はします。
ホラン千秋キャスター:
具体的にどのような影響を及ぼしうるのでしょうか?

星さん:
野田氏の一連の発言は非常に強いですし、財務大臣や総理大臣も経験しているのでキャリアは申し分ないです。そうすると、「自民党の人で大丈夫かな」ということにもなります。
自民党総裁選は候補者が9人出ていますが、野田氏に対抗していけるのかというのが一つあり、自民党の中の選出の基準になるわけなので、そういう点では非常に珍しい現象です。
井上キャスター:
そもそも、野党の代表が野田氏になったから(自民党が総裁を)考えるのではなく、外交などを考えると、各国の大統領と話し合うわけなので、それ(野党代表選出)で考えが変わるのも「おかしいな」と感じてしまいます。
野田氏に「重厚感」がある一方、2012年に(民主党)政権を明け渡したあのときと今と何が違うのでしょうか?

星さん:
あのときは二つ要因があって、まず、東日本大震災や増税問題など、民主党政権時の3年間でいろいろと混乱がありました。増税問題では野田氏が当時の自民党と公明党と消費税を5%から8%に、8%から10%にするという3党合意をしました。
それで当時の民主党は大混乱し、小沢氏のグループが民主党を抜けるということまであったわけです。その後、さらに選挙で惨敗したので、野田氏の増税路線に対して立憲民主党の中でも“怨嗟の声”が今でも残っているのですが、これは政治ですから、そういう過去の経緯を乗り越えて政権交代に向けて結束するということができるかどうかというのは、立憲民主党にとって非常に大きな試練です。
ちなみに、自民党は麻生氏が総裁のときに政権を失いましたが、自民党の中で麻生氏が政権を失ったことに対して未だに根に持っている人はあまりいません。しかし、立憲民主党はやや根に持っている人が多いので、そこの部分をどのように克服していくのかというのは野田氏にとって最初の試練になると思います。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年