10人に1人が何らかのアレルギーを持って生まれると言われている。自分たちの経験をアレルギーと向き合う人たちに活かしてもらうために…治療を乗り越え、患者会を立ち上げて活動する親子の姿を追った。
プールに一滴の濃度でもショック症状 重い乳アレルギー
重いアレルギー症状により、アナフィラキシーショック状態になった少年。苦しそうな表情をして足をばたつかせる。

母「お薬入れる?」「冷やす?」
少年は「経口免疫療法」と呼ばれる食物アレルギーの治療を受けていた。時に危険も伴うが、治療を続けることに迷いはなかった。

私たちが大森佑人さんの取材を始めたのは2010年。当時、小学5年生。佑人さんがいつも肩からかけていたのは黒色のバッグ。
佑人さん
「飲む薬と苦しくなった時の吸入器、担当医の電話番号とか母さんの番号を書いた紙」
身体に異変を感じた時、すぐ対処できるように持ち歩いていた。
佑人さんが重い乳アレルギーとわかったのは生後6ヶ月の時。プールに1滴の牛乳を落としただけの濃度でもショックが起きると言われたという。
一生乳製品を口にせずに生きていくのか、思い悩んでいたときに知ったのが食べて治す「経口免疫療法」だった。