“最終手段”を突き付けられた斎藤知事…今何を語る?

 都道府県議会において、不信任案が可決された例は過去に4つしかなく、解散した例は1つもありません。1976年に岐阜県の平野三郎知事(辞職)、2002年に長野県の田中康夫知事(失職して出直し選挙で当選)、2003年に徳島県の大田正知事(失職して出直し選挙で落選)、2006年に宮崎県の安藤忠恕知事(辞職)

 というのも、1度不信任決議を出された知事が、「議会を解散し、新たな議会になっても、ふたたび不信任決議が出されて、結局は辞めることになる」可能性がかなりあるからです。新議会で再び不信任決議が出された場合、1回目より可決のハードルが下がります。

▼1回目の不信任決議:3分の2以上の出席・4分の3以上の賛成で可決→10日以内に解散or辞職となる

▼2回目の不信任決議:3分の2以上の出席・過半数の賛成で可決→知事失職となるからです。

 今回の兵庫県の場合、解散後の新議会で、斎藤知事を支持するの議員が過半数(44人)を越えない限り、解散しても結局失職が近いということになります。

 斎藤知事は解散に踏み切るのでしょうか。山中アナは17日、知事に直接取材をし、真意を尋ねました。

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【斎藤知事への取材】
 (山中アナ)「県政を進めたいが、進められないという今の状況で、知事が辞職を選ばない理由を教えてください?」

 (兵庫県 斎藤元彦知事)「3年前に大きな負託を受けまして、様々な改革を進めてきました。文書の問題については、改めないといけない点、改善しないといけない点も出てきていると思います。それをしっかり対応して、その上で与えられた任期を全うしていくことが、改革を進めていく上で大事だと思いますので、それをこれからも県民の皆さんにご理解いただけるように頑張りたい」

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 (山中アナ)「今も知事のもとには、『続けてほしい』という声はあるのか?」
 (兵庫県 斎藤元彦知事)「いろいろ声はあります。もちろん批判も重く受け止めています」

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 (山中アナ)「今、相談している相手はいますか?」
 (兵庫県 斎藤元彦知事)「知事は最終決定権者であり、政策も含めて重い判断をしていく立場です。今回は不信任決議案という大変重い議会側の検討、そして、これから対応を決めていくことになりますので、自分自身で考えていくことが大事です」

 (山中アナ)「最大の支援者であろうご家族は、今回のことをどのように言っている?」
 (兵庫県 斎藤元彦知事)「そこはプライベートの世界ですし、基本的には仕事ですから、これは私が決めていくということです」

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一方、知事の立場に立った、こんな質問も…

 (山中アナ)「百条委員会の調査結果が出る前に、ご自身の進退が決められようとしていますが、これに対する不満というか、ご意見はありますか?」

 (兵庫県 斎藤元彦知事)「第三者委員会を設置、百条委員会を設置ということで、議会側から調査をしっかりやりたいと設置されましたので、我々としては、そこにきちんと対応してきたということです。その過程の中で、私の行いや言動に関して不適切なところがあったということは、改めてお詫びを申し上げたいと思います。それでも私は県政の改革を含めて、しっかり進めていきたいという思いです」

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 取材した山中アナは、「記者やメディア、そしてその向こうにいる県民に対して、非常に丁寧に対応していました」とし、一方で、「何を聞かれても、話すと決めていることしか話さない」といった印象を話し、「斎藤知事の真意は分かりませんでした」とまとめました。