スマートフォンを保険証として使う「スマホ保険証」の運用があすから本格的に始まります。スマートフォン1台で医療機関を受診できるようになる一方、普及には課題も残されています。
東京・世田谷区にある、内科と小児科のクリニック。今年7月から先行して、「スマホ保険証」の受け付けをスタートしました。
記者
「マイナ保険証をスマートフォンに追加すると、スマートフォンを保険証として使えるようになります」
マイナンバーカードと保険証が一体化した「マイナ保険証」。その情報が登録されたスマートフォンをかざすだけで、診察の受け付けができます。
準備ができた医療機関や薬局などで、あすから本格的に導入されます。通っている病院に導入されているかどうかはステッカーで確認することができますが…
クリニックの患者(80代)
「(Q.スマホでできるようになったことは知っていた?)いや、知らない」
娘(50代)
「スマホ自体、使いこなせていないので難しい」
クリニックの患者(80代)
「難しいよね。カードだったら、ひゅっと出せばそれで済むけど」
娘(50代)
「スマホに全部の情報を入れるのはちょっと怖い。最初は使わないかな」
クリニックの院長は…
深沢クリニック 深沢祐之 院長
「スマートフォン連動が一番のハードルだと思います。受付の事務員がそれを解説するのは難しいし、多分、不可能ですので、ご自宅でやってきていただかないと難しいですね」
利用には事前の準備が必要だという「スマホ保険証」。どうやって登録すればいいのでしょうか。
記者
「こちらのマイナポータルから登録してみたいと思います」
必要なのは、マイナンバーカードを発行した際に登録した4桁の暗証番号と、6桁から16桁のパスワードです。
入力して、マイナンバーカードにかざすと…
記者
「今、本人確認できました」
新しい暗証番号を設定し、およそ5分で登録が完了しました。「パスワードを忘れた」という人は、別のアプリやコンビニなどでリセットすることができます。
スマホを持っているだけで保険診療が受けられ、病院側も受け付け作業が簡略化されるなどメリットがある一方、導入に慎重なクリニックもあります。
飯田橋中村クリニック 中村剛 院長
「保険証の頃は出すだけで終わりなんですけど、マイナ(保険証)になって顔認証とかうまくいかないこともある。さらにスマホとなると、その辺で事務の負担が増えるだろうと。ニーズが増えれば対応で十分かと思っています」
登録に必要な「マイナ保険証」の利用率も3割程度にとどまるなど、普及には課題も残る「スマホ保険証」。厚労省は今後、ホームページで、対応可能な医療機関の公表を予定しています。
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